ダモダランがヴァリアント株について白旗をあげる

著名な経済学者であり、コーポレート・ファイナンスの第一人者である、ニューヨーク大学のダモダラン教授がヴァリアント・ファーマシューティカルス(ティッカーシンボル:VRX)についてコメントしています。

http://www.valuewalk.com/2017/03/valeant-update-damaged-goods-deeply-discount-drug-company/?all=1

ダモダランは16年4月に適正株価を44ドルと分析してヴァリアント株を32ドルで購入しており、その後の株価下落で株を買い増して平均取得単価は21ドルと発言していました。これまで強気の分析をしていましたが、論調を一転させ、ネガティブなトーンになっています。

長いので僕が重要だと思った点を要約しますね。

・EBITDAが前年比30%減。利息費用増加しており有利子負債が1年間で4%しか減っていない。買収を繰り返す派手な会社から、堅実で低成長な企業に変身を遂げれば株価は持ち直すと思っていたが、ビジネスが思ったよりも毀損していて回復にはかなりの時間がかかる。

・法人税の減税、借入金利上昇見込みはヴァリアントにとってネガティブ。

・事業の継続が困難になるリスク10%を折り込めば適正株価は13ドル。現状の10ドルよりは高いがほとんど変わらない。

・株を売る予定は今の所ないが、取得単価21ドルに戻るとも思わない。

 

僕はもう少し安いところで買ったのですが(17ドルくらい)概ね同様の意見です。財務レバレッジが凄まじい企業なので、EBITDAの30%減は極めて厳しいです。借り入れの財務制限条項(コベナンツ)に引っかからなければ、いつか買値に戻るだろうという期待はありますが。

株式の時価総額がEBITDA1年分と同じたった30億ドルでも、有利子負債が290億ドルあるので、企業価値(エンタープライズ・バリュー)は30+290=320億ドルで、ゴーイングコンサーンを考えると割安ではないと思います。企業価値に対して株価がごくわずかなので、株価は極めてボラティリティの高い展開になり、許容できるリスクを超えてしまう投資家が多いはずです。

今後何年にもわたって無配当が続き、事業で得たキャッシュを有利子負債返済に充てる企業の株を持ち続けるのはつらいものがありますね。負債の桁が一つ違う東京電力よりはマシですが。オバマケアの撤廃断念がヘルスケア業界に与える影響はどうなんでしょうか?

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