EBITDAとは何か

めちゃくちゃ遅くなりましたが、先日の記事で予告したようにEBITDAの話。ちょっとややこしい内容かもしれません。

The End of Accounting:投資家にとって有用な指標とは

EBITDAとは、Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amorizationの略で、利払い前・税引き前・減価償却前利益という意味。当期純利益に支払利息と法人税と減価償却費を足したものだ。イービットダーとか、イービットディーエーとか、イービッダと発音される。最後のが一番ネイティブっぽいので気に入っている。仕事柄、会話の中でEBITDAのことがたまに出てくるが、その時はドヤ顔で「イービッダ」と発音してます。

EBIT(利払い前・税引き前利益)という概念もあるが、これは、企業の利益が債権者、税務署、投資家にどのように山分けされるかを表している。

EBITDAでは更に減価償却費を足している。減価償却費は会計上の費用だが、実際のキャッシュアウトではない。実際にキャッシュアウトが出るのは設備投資のタイミングであり、減価償却費は設備投資額が将来にわたって期間按分されている。しかし減価償却費を利益に足すと、過去のキャッシュアウトである設備投資の影響が見えなくなってしまう。

現実には、事業を維持するためには更新投資や新規設備投資が必要になるので、企業は、毎期減価償却費と同じくらいの設備投資を否応なしに行なっている。したがって企業が得た、債権者・税務署・投資家で山分けするお金はEBITDAではなくEBITで見たほうがより適切だろう。例外は買収で多額の無形固定資産の償却が生じEBITが赤字となっている場合。設備投資と償却のバランスに歪みがありEBITだと事業の収益性が見えづらい場合にはEBITDAが有用。こうしたケースは製薬会社などに多い。ただしEBITDAを見る場合には、設備投資も合わせて見なければならない。

(話はずれるが、この企業の利益をステークホルダーで山分けするという考え方は、資本コストを考える際にも非常に有効です)

ウォーレン・バフェットは「EBITDAを利益と同様に扱うことは、ビジネスとはピラミッドのようなもの、つまり今後、何かに置き換えたり、手を加えたり、修理したりする必要がなく、永久に最先端のままであるというのに等しい」と言っている。

また、ロバート・C・ヒギンズはEBITDAをもじって、EIATBS(Earnings Ignoring All The Bad Stuff、悪いもの全部を無視した利益)を好む経営者が多すぎる、と述べる。(『ファイナンシャル・マネジメント』)

リストラ費用などの一時的なコストを除いた調整後EBITDAで見れば増加している、などの決算発表を行う米国企業は多いが、果たしてどのような調整が行われているか、を調べることは個人投資家には難しい。聞こえの良い数字だけではなくて、調整される前の最終利益にも気を配る必要があるように思う。

 

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