アマゾン化する世界

アマゾン(AMZN)が生鮮小売り大手のホールフーズ(WFM)を買収することを発表しました。

買収価格は137億ドル。全て現金での支払いです。アマゾンはキャッシュリッチな会社で、現金同等物を200億ドルくらい持ってます。

アマゾンのスピード感は凄まじいですね。Linkedinにアカウントがあるとアマゾンから求人がよく来るんですが、「毎日が創業日のように仕事をしろ」が社風のアマゾンでは一日たりともやっていける気がしません。

すでに和波さんが詳細な考察記事をあげていますので、付け加えるべきことはあまりありません。ここでは、株価に着目してみましょう。

アマゾン(Amazon)がホールフーズ(Whole Foods Market)買収!! 米国小売株の今後について詳細考察

 

アマゾンがついにブリックアンドモルタル(レンガとセメント=実店舗)型のビジネスへの進出を決めたことで、アマゾン株は好感され上昇しましたが、他の小売り株が大きく下落しています。直接的にぶつかり合うスーパーマーケットだけではなく、CVSやウォルグリーンなどの薬局チェーンもアマゾンに顧客を奪われる懸念があることから下げています。一方で百貨店のノードストロームや、ホームセンターのホームデポ株はこのニュースに影響を受けていません。

ホールフーズ買収のニュースを受けた先週金曜日の値動きは下記の通りです。

勝ち組

アマゾン(AMZN) +2.4%

ホールフーズ(WFM)+29%

負け組

ウォルマート(WMT)-4.6%

ターゲット(TGT)-5.1%

クローガー(KR)-9.2%

コストコ・ホールセール(COST)-7.1%

ウォルグリーン(WBA)-4.9%

CVSヘルス(CVS)-3.7%

スーパーバリュー(SVU)-14.3%

ベストバイ(BBY)-1.5%

他にもアマゾンショックで下落した銘柄はありますが、主要なところでこのくらいにしておきましょう。

突然ですがここで問題です。

勝ち組のアマゾンとホールセールで上昇した時価総額と、負け組のその他企業で減少した時価総額、どちらが大きいでしょうか?

正解は減った方が大きい、です。勝ち組のアマゾンで150億ドル増えた一方で、負け組の小売り株で300億ドル以上減少しています。

合計すると、世界から株主価値がアマゾンショックで150億ドル以上失われたことになります。

なぜ全体の株主価値が減るのでしょうか?アマゾンが実店舗の小売業界に参入したことで価格競争が激化し、アマゾンが得る利益よりも小売り企業で減少する利益の方が大きいとの懸念によるものです。(あくまで、市場が合理的で、パニック売りがないとすればの前提ですが)

値下げは消費者にとっては嬉しいことだと言えるかしれませんが、利益が減少することで、多様な商品が値下げ圧力のためにプライベートブランドに統一されてしまったり、近くにあって便利だった実店舗が潰れてしまってオンラインに集約されてしまったりするので、あまり過度な競争は消費者にとってもよいものとは言えないでしょう。

投資家にとっては、アマゾン化する世界に対して、アマゾン株を買うだけではその他の株の下落をヘッジできないことを意味しています。

まだ大胆な予想に思われるかもしれませんが、世界は今後ますますアマゾン化していき、そのことによりインフレ率が押し下げられ、また米国株の成長率は鈍化するでしょう。

 

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