たまごっち化するビットコイン

2010年にビットコインを1万円買っていたら今頃は億万長者だった。この意味でビットコインを買わなかった自分の判断は誤りだったかもしれない。

しかし、ビットコインは長期的には無価値であるという自分の見解は、今も変わることはなく正しいと思っている。長期的という言葉をどのように捉えるかは別にして。長期的に見れば我々は皆死んでいるのかもしれない(byケインズ)

ビットコインを金の代替として考えれば割安だとの声を聞く。金の時価総額は900兆円で、ビットコインの時価総額は10数兆円なので、まだ100倍近く上昇の余地はあるとの論調だ。この見解は誤りであると思う。

古くは通貨そのものとして、また近年は貨幣価値の裏付けや金銭の退蔵手段として、金はその価値を紀元前から認め続けられてきた。単体で金そのものとして存在する性質や、美しさ、保存、加工の容易さなどにより、金は特権的な地位を任命されていた。

翻ってビットコインはどうか。誕生してわずか数年後に、より洗練された仮想通貨が無数に出てきた。ビットコインのシステムはもはや決済手段としては致命的なまでに遅すぎる欠陥を抱えている。金の例えで言えば、金が発見されてわずか数年後に、より優れた「金2」や「金キャッシュ」、「スーパー金」が登場したようなものである。

ビットコインは金よりも切手に近い性質である。あるいはブルームバーグで見かけた記事の例えを借りれば、「白いたまごっち」に近いのかもしれない。数年後には誰も見向きもしなくなるという意味だ。

金ではなく切手に近いというのは、一つにはシニョレッジ(通貨発行益)を享受できるという点においてである。

金は数十億年前の超新星爆発の際に生まれたものであるから、誰かが追加で発行できることはない。ビットコインはその設計上、発行総数が2100万枚と決まっており、ビットコイン単体の中ではシニョレッジは有限であるが、ビットコインキャッシュ、ビットコインプラチナムなど、無限に亜種を作成できる。亜種を公開することでシニョレッジを得て悪さをしている輩が多数いるのは、ICO(PS2のゲームではない)を眺めていればすぐ分かるとおりである。

国家が価値を保証する貨幣(ドルとか円とか)がめちゃくちゃに通貨を発行してシニョレッジを満喫するモラルハザードに陥らないのは、国家が貨幣をめちゃくちゃに発行すると、第一次世界大戦後のドイツのような、あるいは最近のジンバブエのようなハイパーインフレが起こり、国民生活が破滅するからだ。今や政治は洗練されており、ほとんどの国の通貨はそのようなモラルハザードが起こらない信任のもとで取引されている。だから貨幣価値は安定する。

でも仮想通貨はそうではない。

理論的には、価値の退蔵手段は有限な価値しか持たないにも関わらず、無限に亜種の発行可能性があるので、その価値の退蔵手段は無価値である。したがって、ビットコインは長期的には(誰もが忘れ去った頃には)無価値である。

 

価値の退蔵手段としては無価値であっても、決済手段としては価値があるかもしれない。国家が発行する貨幣についても、われわれは国家のお墨付きを意識して使っているわけではない。自らが受け取る商品の対価として貨幣を渡した相手が、同じように貨幣に商品と交換できる価値があると信じて貨幣を使い、そのまた次の人が貨幣を使う、という無限のバトンリレーが続くと信じているから、貨幣に価値があるのである。(マルクスのいう命がけの跳躍)

現状のビットコインは決済手段としては致命的なまでに遅いが、ビットコインキャッシュ等の後発の仮想通貨はその点は改善している。では後発の仮想通貨は、決済手段として先進国国家が発行する通貨に比肩しているかというと、そうではない。現代の通貨は、流通量を景気低迷期には増やし、景気拡大期には抑えるといったコントロールができなくてはならない。だから金本位制は滅びた。管理者なき仮想通貨は(ハイパーインフレが起こり得るジンバブエドルよりは優れているのかもしれないが)発行額の上限が決まっておりそのようなコントロールはできない。

また国家が発行する通貨は国家が生き残る限り、そしてそれを使う国民がいる限り価値があるものとみなされるはずであり、そして一般に国家はゴーイング・コンサーンが成り立つものである。したがってマルクスが命がけの跳躍と呼んだ行為は、国家が発行する通貨においてはそれと意識されずに日々成立しているのであるが、理論上無限に存在しうる仮想通貨は、今後も決済手段として同じように使い続ける人がいるという確証がないために、文字通り命がけで使わざるを得ない。

ビットコインは徐々に採掘コストが上がっていく悪魔の仕組みである。自分には投機バブルを誘引するように運命付けられた代物としか受け取れない。

仮想通貨には株式と違って、収益性等により判断するバリュエーションが存在しないために、誰も今の値段がバブルであるかどうか明言することはできない。

なので自分が言えることは、単にビットコインは長期的には無価値であるということだけだ。最初のブロックチェーンを用いた仮想通貨であるために名が知られており、他の亜種よりも好事家の目を引き、その意味で切手と同様に多少の希少価値で取引されるかもしれないが、誰もその名を忘れ去られる未来には無価値だろう。

しかしそのような長期的視点に立てばいくつかの脆弱な国家は今後数十年のうちにデフォルトしているだろうし、先に見たように単一の通貨内で暴君がシニョレッジを振りかざさないという意味では、少なくともジンバブエドルよりは安心できるのであるから、日本円に次いで流通額が巨大な通貨という現状はバブルであると言えるにしても、現実的には案外、G20あたりの中進国の通貨、例えばトルコリラあたりの価値までの下落で踏みとどまるのかもしれない。

17年11月末のポートフォリオとフット・ロッカー

こんばんは、フット・ロッカー太郎です。

月1のポートフォリオ公開だけで、某バフェット太郎氏に売買タイミングを分析されてボコボコに叩かれました。僕はバフェットじゃなくて、更新しなさすぎて米国株ランキングで100位ぐらいのブロガーですよ。熱心に見ていただいてありがたいことですが。ファンなのかな?

フット・ロッカー株に関していえば、バリュエーションは非常に魅力的な水準ですが、ポートフォリオのリバランスのために一部を売却しました。ただの靴屋にかけるリスク量を超えていたので、修正したというわけです。

暴騰といっても2Q前の水準よりはだいぶ安いし、3Q決算は前年比で売上が下がっており、特に良いわけではなかったです。クオーターでの減収幅がlow-single digitかhigh-single digitかの違いで暴落か暴騰かの違いが出たわけですが、そんなものはここ日本にいてもどうなるか全然わかりません。そういう意味では、この会社のことを全然知らないという指摘はその通りです。普段から使っているグーグルやアマゾンと違って、実店舗型のビジネスは店に通い詰めないと実際のところがわからないわけですから。

ただ、実店舗については、先日この目で見てきました。9月に夏休みをとって欧州に旅行した際にフット・ロッカーの実店舗をちょっとだけ見たのですが、ブランド物の靴を高い値段で売っているおしゃれな店でした。同じく旅行で訪れたマクドナルドが、タッチパネルの注文システムや、席ごとにタブレットが置いてある日本より進んだ店舗で、非常に便利で感銘を受けたのに対して、フット・ロッカーは普通の靴屋で、数十年先のビジネスが継続するmoatが弱いように思いました。というわけで、ポートフォリオのリバランスを行ったということです。

さて、フット・ロッカーの話はこの辺にしておいて、月末には1日早いですが時間の都合で、今月のポートフォリオです。

11月末の時価は955万円で、前月比プラス82万円です。

購入:テンセント、新興国株式インデックス、グローバル中小型インデックス(ニッセイ外株インデックスは月末日に積立購入予定)

売却:なし

今月はアマゾンやアルファベットなど、テック銘柄が好調でした。ガジェットに目がないので、アマゾンのAIスピーカーechoを早速買ったのですが、完全に未来から来た製品ですね。喋るだけでアマゾンで商品を注文できたり「スキル」と呼ばれるアプリで他社のサービス(弁当の注文とか)を利用できるので、更にアマゾンの経済圏だけで生活できるようになりそうです。VR装置Occulusとのシナジーが不明で、いまだに売上のほぼ100%が広告のFacebookや、iTunesポイントでいまだにバーチャルな製品(音楽、電子書籍、映画など)しか買えないAppleと違って、アマゾンとグーグルは、実生活との接続に関して非常に先を行っているように思います。

テンセントの銘柄分析(前編)

先日買ったテンセントの時価総額がFacebookを抜き、アジアで初めて時価総額が5000億ドルを超えた企業になりました。創業20年も経っていないというのに。

株価は年初来130%上昇していますが、PER54倍というバリュエーションは適切なのでしょうか?

 

まずトップラインから始めましょう。テンセントのセグメントは3つに分かれます。「VAS」(Value Added Services)と「オンライン広告」と「その他」です。

「VAS」の大半はオンラインゲームの収益、一部はコミュニケーションアプリ(Wechat、QQ、Qzone)の課金収益です。「その他」はWechatでの支払いでの受取手数料や、クラウド事業ですね。

どのセグメントもYonYで50%以上の驚異的な増収ペースです。

セグメントごとの四半期Gross Profitを見ると、310億元のGross Profitのうち、250億元がVASから生み出されていることがわかります。VASの大半はゲームですので、テンセントは今はゲーム会社と言っても過言ではありません。

まずゲーム事業から見ていきましょう。日本のスマホゲーム業界は競争が激しく、今儲かっているゲームもすぐに旬が過ぎるので、ゲーム会社のPERは低めです。例えばパズドラのガンホーは予想PER8倍、ドラゴンボールのアカツキは21倍、白猫のコロプラは25倍です。

テンセントのゲーム事業はこれら日本のスマホゲームより2つの点でStickyなため、高いバリュエーションを正当化できると思います。

①ゲーム性/競技性

ゲーム事業のうち、PCゲームの売上はYonYで27%増収の146億元。スマホゲームの売上はYonYで84%増収の182億元です。

PCゲームはLeague of Legends(LoL)というMOBA(対戦リアルタイムシミュレーション)やDnF(日本での名称はアラド戦記)というオンラインRPGが中心です。

LoLの開発元はアメリカ企業ですが、東アジアでの人気に目をつけたテンセントに2011年に買収されています。LoLのアクティブプレイヤー数は月間9000万人で、世界一の規模です。DnFの開発元は韓国のネクソンですが、中国でのライセンスはテンセントが持っています。

LoLもDnFも10年近い歴史を持つゲームであり、基本プレイ無料で多くのプレイヤーを集めています。こうした対人対戦ゲームは、ガチャによる個人収集が中心の日本のスマホゲームよりも、一旦軌道に乗れば寿命が長いです。

LoLの世界大会は賞金総額5億円で、これは運営会社から提供された賞金としては世界一です(プレイヤー課金による賞金としてはDota2の27億円が最高)

テンセントのモバイルゲームは、Honor of Kings(LoLに良く似たMOBA)が中心ですが、他にもソフトバンクから昨年買収した北欧のゲーム会社スーパーセルのクラッシュロワイヤル等のタイトルも持っています。これらも対人対戦ゲームで、課金圧力が強く、寿命が長いビジネスです。

②規制

テンセントのゲームが中国政府に保護された中国ローカルのもので、他国に通用しないという批判は間違っています。LoLの開発元であるアメリカのRiot Gamesや、クラッシュオブクランなどの開発元であるフィンランドのスーパーセル、Gears of Warの開発元であるアメリカのEpic Gamesなどに出資し、ポートフォリオを多様化させています。

一方で、テンセントのゲーム事業が規制と共に生存していることも事実です。

中国政府はHonor of Kingを子供の成長に悪影響を与える「毒」と批判し、テンセントは子供のゲーム利用に対して時間制限を掛けざるを得なくなりました。

現在、中国を除く世界で一番勢いがあるオンラインゲームは、「PUBG(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)」です。韓国のメーカーがバトル・ロワイアルの世界観を参考に作ったオンラインFPS/TPSゲームで、孤島に降り立った100人のプレイヤーが殺しあうというコンセプトです。ニコ動でプレイ動画を見ましたが、物資や建物を奪い合うシビアなプレイ体験と、戦いの中から生まれるプレイヤー同士の友情が面白いです。

PUBGの中国での独占配信権をテンセントが得ましたが、ゲーム内容が残虐すぎるとして、中国政府の指示でゲーム内容に制限を加えることが明言されました。

そもそも任天堂やソニーなどのコンシューマゲームは中国から排除されているため、オンラインゲームやモバイルゲームが流行る土壌があるのですが、このように、パソコンのオンラインゲームにおいても、他国で流行っているゲームを中国の規制に沿った形で配信できるのは、圧倒的な勢力を有するテンセントの特権であり、したがって中国のオンラインゲーム市場におけるテンセントの地位は、ドミナントであり続けるというのが僕の私見です。

 

長くなったので、ゲームセグメント以外の話は次回に続きます。

 

https://www.stockclip.net/notes/764

ところで、このstockclipによる企業価値の計算は参考になりません。継続価値が企業価値の95%以上の時点でおかしいと思うべきです。資本コストの考え方が間違っています。割引率には長期国債利回りではなく、WACCを使うべきで、WACCは10%を超えるのではないでしょうか。そもそも、中期の成長率を一定としたDCF法の計算をこうしたテック企業に採用するのは適切ではなく、EBITDAマルチプルなどを使うべきです。このサイト、月額1980円か…デザインはいいけどね。

 

 

テンセント株を購入

詳細はまた書きますが、WeChatやオンラインゲームで有名なテンセントホールディングス株を買いました。

決済ビジネスは今後非常に成長が見込まれる分野だと考えていたのですが、良い会社の株はバリュエーションが高いため投資する機会をずっと逃してきました。えいやで買うしかないですねこういうのは。

ビットコインはバブルだし、ビザやペイパルも収益性は素晴らしいのですが、より先進的なサービスであるこちらを。アリババにはソフトバンクを買うことで間接的に投資しているので、これで中国の電子取引の二大巨頭を押さえたことになります。香港株を買うのはテンセントが初めてです。一単元100株で56万円もするんですね。一株から買える米国株に慣れていたので不便。

テンセントの銘柄分析についてはまた明日。

10月末のポートフォリオと、スプリントの合併破談報道について

アマゾンやアルファベットの好決算についてコメントしようと思ったらもう月末が来てしまいました。とりあえず、10月末のポートフォリオです。

 

(11/1訂正)数字に間違いがあったので、差し替えました。

10月末の保有銘柄の時価は873万円で、前月比+109万円となりました。

購入:ソフトバンク、アルファベット、アマゾン、投資信託3種

売却:フット・ロッカー

それぞれ色々書きたいことはありますが、今日はソフトバンクについて。

前回の記事でソフトバンク株の購入理由を書きましたが、購入後にスプリントとTモバイルの合併が盛んに報道され、一ヶ月で15%超も上昇しました。しかし昨日、統合後の会社の支配権を得られないことを理由に、ソフトバンクの取締役会が合併を中止することを決めたとの報道が流れ、ソフトバンク株は5%を超える下落となりました。

ブルームバーグの記事が述べるように、合併中止は愚かな判断としか言いようがありません。単独でも生き残ることが可能なTモバイルに対してスプリントは苦境にあり、会計上の利益は多少出ているかもしれませんが、フリーキャッシュフローはゼロ付近をさまよっています。ソフトバンクの国内通信事業のようなキャッシュカウになるには程遠い状況で、生存のためには相当な設備投資を必要とするでしょう。

Tモバイルとの合併が不調に終わった場合に噂されている、米衛星放送大手のディッシュ・ネットワークとの合併はシナジーが薄いと思います。従来のケーブルテレビ業界はネットフリックスやアマゾン・プライムビデオに侵食されており、合併により契約者数の増加が見込まれるかには懐疑的です。むしろTモバイルのようにネットフリックスと業務提携を行うなど、魅力的な番組を提供している勝ち組にくっつく方が有効でしょう。

ソフトバンクはビジョンファンドの説明で、業界ナンバーワンの会社が協力関係を結ぶ同志的結合が重要であり、必ずしも支配権を得るかどうかにはこだわらないと言っています。なぜスプリントとTモバイルとの統合後会社の支配権にこだわるのか、意味が全くわかりません。何かのソフトバンク流の交渉術なのかと思いきや、代案が思い浮かばない以上、永守重信が抜けた後のソフトバンク取締役会は合理的な判断力を失ったのではないか、と思わざるを得ません。

話がそれますが、永森氏が自分なら3000億円以上は出さないと言っていた、3兆円で買収したARM事業は、人員拡大のために営業赤字なのは良いとしても、トップラインの成長モメンタムを欠いているように思えます。

ソフトバンクの決算短信によると、ARMの17/1Q売上高は4.3億ドル。QonQで4.6%増、YonYで21%増です。3兆円のディールの結果にしては極めて物足りません。

ARMを買収した昨年夏なら代わりにNVIDIAを3兆円程度で買えたのに…と思ってしまいますね。今やもう13兆円を超えたので手遅れですが。

そういうわけで、ソフトバンクについては買い増したものの、引き続き懐疑的に見ています。

ソフトバンクを買い増し

先週、ソフトバンク株を買い増しました。

アリババやインドの電子決済最大手paytmなどのフィンテックへ間接的投資を増やしたかったことが主な動機です。

ソフトバンクの時価総額は90Bドル(=10兆円)ですが、積み上げで計算するとこの株価は割安だと直感的に思ったので、検討してみましょう。

ソフトバンクの事業は4つに大別できます。

①国内通信事業

現金を生み出す安定的なビジネス、いわゆるキャッシュカウです。孫社長が関心を無くしているとも聞きます。ARPUはサービス単価が上がらず伸び悩んでいますが、ワイモバイルとの両立が成功しており契約者数は順調です。この事業の価値はフリーキャッシュフローの水準等から同業のKDDIの80%としてざっくり約60Bドルでしょうか。

②スプリント事業

米通信4位のスプリントに約80%の出資をしており、スプリントの時価から計算すると価値は約20Bですが、米通信3位のTモバイルとスプリントの合併報道が現実味を帯びており、今月末にも合併される見方が有力です。合併に当たってはスプリント株にプレミアムがつかないことが報道されているので、直近では株価が軟調に推移していますが、Netflixを特典につけたり、意欲的なキャンペーンで業績好調のTモバイルとの合併は長期的に見て間違いなくプラスでしょう。だからこそ、プレミアムなしの合併、しかも合併後の新会社は連結できず持分法という条件でもソフトバンクがディールに乗り気なわけですが…

あくまでも現在の価値として、スプリント事業の価値は20Bドルとします。ただし、短期的には株価のアップサイドが見込まれるでしょう。

③アリババ、ヤフージャパン、アーム等、ソフトバンク本体からの投資

いまやソフトバンクの価値の大部分を占める投資事業です。ここではヤフーも投資に含めてしまいました。時価総額500Bドルに届かんとするアリババに28%出資しているので、これだけで140Bドルです。アーム30B、ヤフー10Bなどを足して、合計で200Bドルとします。

④ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)事業

サウジの王子やらホンハイやらアップルからお金を集めて、シリコンバレーの有象無象に毎日のように数百億円をばらまいている怪しい事業ですね。

未来予想図がわからなくて不安でしたが、下記のTechcrunchの記事は参考になりました。

SoftBankの投資の狙いを推理する

記事によると、内部収益率20%を達成するためにUber、Didi、Olaなどのライドシェアリング企業を重要な柱として考えているとのこと。確かに10兆円規模のファンドで20%の収益を達成するにはそれしかない気がします。しかし、ソフトバンクへの投資家が一番案じているのもライドシェアリング企業(及びスナップディールなどのインド企業)へ金を湯水のように投じていることだと思います。

私見としては、ライドシェアリング企業への投資はSVFが期待するような収益を得られないと思います。しかし、まるっきり損を食らうこともないでしょう。Uberは売上を着実に伸ばしており、損失は減少しています。競合のLyft(アリババが出資しているので、競合ではなくて傘下?)のIPOは有望です。Uberの企業価値は伸び悩んでいるものの暴落している兆候はありません。ソフトバンクは大型投資のEXIT経験があまりありませんが、うまく上場させればいくらかの利益を得ることはできると思います。リスクに見合っているのかはわかりませんが。

ソフトバンクは、SVFがサウジの王子などの投資家から受け取るファンド手数料(年1000億円規模?)も収益に含むので、ある程度の安定した利益を期待して良いのではないでしょうか。かといって、事業の価値をいくらと見込めば良いのかよくわかりませんが・・・とりあえず大損しないだけマシとして、ゼロ(!)としておきましょう。

 

①〜④の事業価値を合計すると280Bドル。しかしソフトバンクの時価総額90Bと280Bを比較するのは誤りです。

280Bからソフトバンク有利子負債(の本来は時価)を引く必要があります。有利子負債の簿価は約15兆円(140B)なので、280Bから140Bを引いた140Bが株主価値になります。

更に言えば、ソフトバンクの投資の含み益をそのまま我々が享受できるわけではありません。スキームによるのでもっと良い方法があるのかもしれませんが、ソフトバンクの米国子会社においてアリババ株の売却益が100生じた場合、米国で株式譲渡税が20課せられます。投資の含み益については8掛けして保守的に見積もった方が良さそうですね。そうするとEXITの可能性がある②③については8掛けして、①〜④の合計で236B。有利子負債140Bを引いて96B。なんだ、今の時価総額90Bは妥当じゃないか…という結論になってしまいました。

やはり④のビジョン・ファンドをどのように評価するかで全く株価の見通しが分かれそうです。テック・バブルと歴史的低金利の複合がもたらした異常な状況で大金を赤字企業にぶち込むギャンブラーと見るか、凄まじい情報的・金銭的優位を武器に、ハイレバレッジで伸びしろのある有望企業に投資する超優良ファンドと見るか・・・僕はどちらの見方もあると思います。

 

9月末のポートフォリオ 他

9月末の時価総額 7,644千円(前月比+282千円)

購入:投資信託3種

売却:なし

前月末と比較すると、円安進行や米国の中小型株の上昇のおかげで、投資信託を中心に増加し28万円の増加となりました。投資信託を8万円新規に買った影響を除くと、純増は20万円ですね。

 

9月の頭に遅めの夏休みを取って欧州に旅行に行ってたのですが、休みが明けたら期末の仕事が非常に立て込んでいて残業続きだったので、結局今月はまともに家にいた時間が少なかったです。

旅行中にフットロッカーの実店舗やマクドナルドの券売機など面白いものを見てきました。やっと余裕が出てきたので、月次報告以外にも記事を書いていきますね。

 

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの会計処理に関する投資家向け説明会

https://www.softbank.jp/corp/news/webcast/?wcid=j5vobxky

株主として、また経理の勉強としてソフトバンク・ビジョン・ファンドの会計処理の動画を見ました。

概念的にはギリギリ理解できるんですが、公正価値を計算して、前期のを組み替えて、ビジョンファンド以外の800社と連結して…というのを四半期ごとに1ヶ月でやるというのは想像を絶しますね。弊社がソフトバンクの四半期決算を締めると外部発表まで3年は掛かる気がします。

8月末のポートフォリオ

購入:GOOGL(アルファベット)、FL(フット・ロッカー)、投資信託3種

売却:なし

前月比+8.3万円

フット・ロッカーの暴落でバフェット太郎氏に煽られていましたが、フット・ロッカーをグロース株投資として罵倒されたのはひどく的外れだったのでしばらくスルーしてしまいました。しかもプレノン氏とグロース株投資家としてひとまとめにされるという。僕はソフトバンクや任天堂など不確定要素の多いハイテク株を比較的選好しているのは確かですが、プレノン氏はmoatやバリュエーションを重視したポートフォリオを重視しており、全然グロース株投資家ではないでしょう。

僕がフット・ロッカー株を48ドル近辺で買った時の予想PERは10倍以下で、市場コンセンサスの予想EPSは前年比プラス2%くらいだったと記憶しています。これはグロース株でしょうか?グロース株とバリュー株の定義も曖昧ですが、成長著しい銘柄ではないことは確かです。単にフット・ロッカーはDCF法に基づいて割安と判断して行った個別株投資が、予想を下回る決算によってコケただけです。日本株の中小株投資で成功して現在はほぼインデックス投資に切り替えたバフェット太郎氏なら個別投資のリスクは当然よくご存知のはずで、フット・ロッカーの暴落は個別投資vsインデックス投資の対立軸なら少しは意味がありますが、シーゲル流vsグロース株投資などという切り口で論じるのは煽り芸にしても正確性を欠くように思います。

FLが27%超の大暴落

Foot Lockerの2Q決算は既存店売上高が6%減(為替影響を除けば4.3%減)でした。信じがたいほどひどい決算で愕然としています。

27%安は一時の反応として行き過ぎかもしれませんが、Foot Lockerだけではなく同業他社も極めて悪い決算で暴落していたので、業界構造を詳しく分析し直す必要がありますね。次回の記事で詳しくやりたいと思います。

今回の暴落により米国株では損失が収益を上回ってしまったので、完全にダメな投資家のように見えますね。別の口座でswitch発売直後に任天堂を買ったりしているので(投機的な売買なのであえてブログでは報告していませんが)トータルで見れば利益は出ているのですが、米国株で市場平均を下回っているのでダメな投資家であることは間違いありません。米国のリテールには肌感覚がないことがはっきりしてきたので、もう少し得意分野に集中することを検討します。