ソフトバンクを買い増し

先週、ソフトバンク株を買い増しました。

アリババやインドの電子決済最大手paytmなどのフィンテックへ間接的投資を増やしたかったことが主な動機です。

ソフトバンクの時価総額は90Bドル(=10兆円)ですが、積み上げで計算するとこの株価は割安だと直感的に思ったので、検討してみましょう。

ソフトバンクの事業は4つに大別できます。

①国内通信事業

現金を生み出す安定的なビジネス、いわゆるキャッシュカウです。孫社長が関心を無くしているとも聞きます。ARPUはサービス単価が上がらず伸び悩んでいますが、ワイモバイルとの両立が成功しており契約者数は順調です。この事業の価値はフリーキャッシュフローの水準等から同業のKDDIの80%としてざっくり約60Bドルでしょうか。

②スプリント事業

米通信4位のスプリントに約80%の出資をしており、スプリントの時価から計算すると価値は約20Bですが、米通信3位のTモバイルとスプリントの合併報道が現実味を帯びており、今月末にも合併される見方が有力です。合併に当たってはスプリント株にプレミアムがつかないことが報道されているので、直近では株価が軟調に推移していますが、Netflixを特典につけたり、意欲的なキャンペーンで業績好調のTモバイルとの合併は長期的に見て間違いなくプラスでしょう。だからこそ、プレミアムなしの合併、しかも合併後の新会社は連結できず持分法という条件でもソフトバンクがディールに乗り気なわけですが…

あくまでも現在の価値として、スプリント事業の価値は20Bドルとします。ただし、短期的には株価のアップサイドが見込まれるでしょう。

③アリババ、ヤフージャパン、アーム等、ソフトバンク本体からの投資

いまやソフトバンクの価値の大部分を占める投資事業です。ここではヤフーも投資に含めてしまいました。時価総額500Bドルに届かんとするアリババに28%出資しているので、これだけで140Bドルです。アーム30B、ヤフー10Bなどを足して、合計で200Bドルとします。

④ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)事業

サウジの王子やらホンハイやらアップルからお金を集めて、シリコンバレーの有象無象に毎日のように数百億円をばらまいている怪しい事業ですね。

未来予想図がわからなくて不安でしたが、下記のTechcrunchの記事は参考になりました。

SoftBankの投資の狙いを推理する

記事によると、内部収益率20%を達成するためにUber、Didi、Olaなどのライドシェアリング企業を重要な柱として考えているとのこと。確かに10兆円規模のファンドで20%の収益を達成するにはそれしかない気がします。しかし、ソフトバンクへの投資家が一番案じているのもライドシェアリング企業(及びスナップディールなどのインド企業)へ金を湯水のように投じていることだと思います。

私見としては、ライドシェアリング企業への投資はSVFが期待するような収益を得られないと思います。しかし、まるっきり損を食らうこともないでしょう。Uberは売上を着実に伸ばしており、損失は減少しています。競合のLyft(アリババが出資しているので、競合ではなくて傘下?)のIPOは有望です。Uberの企業価値は伸び悩んでいるものの暴落している兆候はありません。ソフトバンクは大型投資のEXIT経験があまりありませんが、うまく上場させればいくらかの利益を得ることはできると思います。リスクに見合っているのかはわかりませんが。

ソフトバンクは、SVFがサウジの王子などの投資家から受け取るファンド手数料(年1000億円規模?)も収益に含むので、ある程度の安定した利益を期待して良いのではないでしょうか。かといって、事業の価値をいくらと見込めば良いのかよくわかりませんが・・・とりあえず大損しないだけマシとして、ゼロ(!)としておきましょう。

 

①〜④の事業価値を合計すると280Bドル。しかしソフトバンクの時価総額90Bと280Bを比較するのは誤りです。

280Bからソフトバンク有利子負債(の本来は時価)を引く必要があります。有利子負債の簿価は約15兆円(140B)なので、280Bから140Bを引いた140Bが株主価値になります。

更に言えば、ソフトバンクの投資の含み益をそのまま我々が享受できるわけではありません。スキームによるのでもっと良い方法があるのかもしれませんが、ソフトバンクの米国子会社においてアリババ株の売却益が100生じた場合、米国で株式譲渡税が20課せられます。投資の含み益については8掛けして保守的に見積もった方が良さそうですね。そうするとEXITの可能性がある②③については8掛けして、①〜④の合計で236B。有利子負債140Bを引いて96B。なんだ、今の時価総額90Bは妥当じゃないか…という結論になってしまいました。

やはり④のビジョン・ファンドをどのように評価するかで全く株価の見通しが分かれそうです。テック・バブルと歴史的低金利の複合がもたらした異常な状況で大金を赤字企業にぶち込むギャンブラーと見るか、凄まじい情報的・金銭的優位を武器に、ハイレバレッジで伸びしろのある有望企業に投資する超優良ファンドと見るか・・・僕はどちらの見方もあると思います。

 

任天堂の目標株価を計算してみた

任天堂switchが大ヒットしており、量販店やamazonで入荷しても一瞬で売り切れる状況が続いています。日本に限らずアメリカやヨーロッパでも同様です。この品薄の要因は、一つにはWiiUの失敗経験により製造台数を絞ったことがありますが、携帯可能でテレビ画面にも映せて、気軽に複数人で遊べるというswitchの独創的なハードウェアが極めて高く評価され受け入れられていることや、ロンチソフトのゼルダがゲーム史上に残る傑作と絶賛されていることなど、複合的な要因によるものです。これほど品薄が続いているゲーム機は歴史上初めてのことです。

僕はというと、こないだ幸運なことにヨドバシ秋葉原でたまたま売っているのを見かけて、慌てて買いました。ゼルダは(個人的にはマザー2や時のオカリナに匹敵する)最高のゲームで、switchは寝ながら遊べて簡単に友人とも対戦できる最高のゲーム機だと断言できます。PS4も持っていますがswitchを買ってから一度も起動していません。

switchへの期待感により任天堂の株価はポケモンGOバブルを超え、先週は一時8年ぶり高値の34,000円台をつけました。上場来高値は07年のWii、DSブームの頃につけた73,200円です。

急騰する任天堂の株価に対して一部ではバブルとの声も聞かれますが、どれくらいが妥当なのでしょうか?

楽天証券とSeeking Alphaのレポートを参考にしてみましょう。

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/stock/imanaka_weekly/0158.html

楽天証券のレポートでは18年度のEPSが1,623円、PER25倍〜30倍で目標株価45,000円があり得るとみています。

https://seekingalpha.com/article/4077658-nintendos-top-line-will-grow-33-percent-cagr-2016minus-19-switch-takes

Seeking Alphaのレポートでは長期的なEVAバリュエーションをもとに適正株価は51,000円だとしています。

数年間の製品サイクル毎に全く景色が変わってしまうゲーム業界で、10年後のEVAを求めることにどれほどの合理性があるのかわからないので、僕としては楽天証券のレポートのほうが有意味なように思います。

この楽天証券の数字が妥当かどうか検証するため、似たような手法でスプレッドシートを組み、目標株価を計算してみました。

 

switch本体の売上台数を17年度は1500万台、18年度は2000万台、19年度は2500万台とし、タイレシオを3本前後としてゲームソフトの売上本数を計算。これは楽天証券よりも保守的な数字です。ファーストとサードパーティに分け、ダウンロード比率が今後上がるとして売上原価の低減を見込んだのが楽天証券よりもおそらく詳細にやったところです(実際にPS4ではダウンロード比率が25%以上に高まっており、大きくマージン増に効いています)

詳しい説明は省きますが、以上のような前提を置いて計算したところ、17年度見込みはEPS444円、PER90倍で目標株価4万円。18年度見込みはEPS1,236円、PER40倍で目標株価5万円。19年度見込みはEPS1,625円、PER35倍で目標株価5万7千円との結果になりました。

上場来高値7万円をつけたときは予想PER53倍だったので、switchのピークでPER35倍はあり得る数字でしょう。仮に19年度見込みEPS1,625円に対してPER53倍で計算すると8万6千円ですが、さすがに無理のある数字な気がします。

というわけで、switchがこのままうまくいくとすれば、今の株価もバブルではなく、まだアップサイドが見込めるということになります。

 

(あくまで推測レベルの前提での計算なので、投資の参考にするのは危険です。投資する前に一度自分でも作ってみることを推奨します。)

決算概観:JT、BP

12月四半期決算発表がピークですね。

保有株を簡潔に見て行きましょう。

 

JT日本たばこ産業):あまり良くない決算。16年度12月期累計は前年度比で減収減益。

為替一定ベース、のれん償却なしの調整後営業利益だと単価値上げのため二桁増益であることを強調しているが、あまり意味がない数字だと思います。

JTはロシアやイギリス、イタリアでシェアが高く、ルーブルやポンド、ユーロに対して円高に推移していることが当期減益の理由だと説明しています。

ルーブル金利がかなり高くインフレが進行しているので、単価値上げには通貨安の影響が相当程度含まれているはず。為替だけ一定と置くことに意味があるのかどうか。

のれん償却なしも、ナチュラルアメリカンスピリットの理解不能な買収がほとんど結果を出していない状況では、調整後の数字が実態を反映しているかどうか疑問です。

短信に出てくる「為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中 長期に亘る年平均 mid to high single digit 成長」という、経済産業省筆頭株主JTのお役所的な奇妙な文章と、業績が結びついてきません。来期のガイダンスも減収減益。

今日の株価は1.6%下げ年初来安値更新。

 

BP(ティッカーシンボル:BP)

悪い決算。4Qの当期利益は4.9億ドルの黒字だが、市場コンセンサスを下回りました。

16年度通期のEPSは0.13ドル。前期配当の2.4ドルを遥かに下回り、BSは引き続き強固だが現在の配当利回り6.6%から減配やむなしか。

昨年の原油価格平均はバレルあたり44ドル。足元の価格は55ドル。

少し株価が原油価格の上昇に先行して上がりすぎた印象を受けます。BPは確認埋蔵量は多いのですが技術的に難しい深海の権益を持っており、他の石油メジャーよりも原油価格に対するボラティリティが大きいかもしれません。

ADRはPre-marketで3.1%下げ年初来安値を更新しています。

コメダホールディングス株について、誰もが気になる2つの疑問に答える

※この記事はコメダコーヒーで書いています

 

皆さんはコメダコーヒー、行ってますか?定番スイーツのシロノワールや、遊び心のあるグラスがいいですよね。

 

昨年のIPO以来、コメダホールディングス株を持っています。何となく持っているのではなくて、一応分析をした上で持っていますので、誰もが気になるコメダ株の二つの疑問について答えたいと思います。

 

・疑問①IFRS適用してるからのれん償却してないけど、のれんの償却入れたらPER高すぎるんじゃないの?

 

はい。当然出てくるこの指摘ですね。今日時点でコメダの株価は1,879円、PER18倍ですが、J-GAAPで仮にのれんを20年償却したとするとPERは30倍〜40倍になると考えられます。このへんの記事参照。

コメダHD(コメダ珈琲)のIPO、予想株価1,960円は高くないか? | 「株価プレス」

 

同業の日レス・ドトールホールディングスもPER18倍ですが、J-GAAP適用です。

同じJ-GAAPで比較するとPERが高すぎるコメダは割高なのでは?という指摘です。

 

この指摘は分かりますが、ただコメダののれんは複雑な経緯があり、LBOで生じた自己創設のれんだということが重要です。フランチャイズ事業そのものについてののれんであり、同業のドトールでは発生しないのれんということです。したがって、のれん償却ベースで比較するのが妥当か?という疑問がありうるわけですね。

また、フランチャイズ事業は営業利益率が30%と高く、非常に安定しているビジネスです。(加盟店をいじめているわけなので)店舗数を増やしており営業利益は右肩上がりです。ですので減損の懸念は目下かなり低いと言ってよいでしょう。

 

では莫大なのれんに何も問題がないかというと、そんなことはありません。

BSを見てみましょう。

 BSの基礎は身についていますか?

資産は資金の使途、負債・純資産は資金の出所ですね。

300億を超えるのれんに見合う出所はどこでしょうか?純資産だけでは足りていません。はい。そうです。250億の借入金ですね。LBOをやって上場したので、この借入金を返していかないといけないのです…!

直近の年間のFCFが60億くらい、そのうち配当に回すのが20億くらいなので、借入金返済には6年以上の時間がかかりますね。これがコメダホールディングスのリスクです。

のれん償却でPERがどうとか言ってるんじゃなくて、資金の出所を見ようということです。

 

・疑問②なんで上場直後に資本剰余金から配当してんの?タコ足配当じゃないの?

次はこの疑問です。企業会計原則に、「資本取引と損益取引を明瞭に区別しなければならない」と書いてあるの分かってんのかコメダは、という話ですね。

資本剰余金は株主から集めたお金であり、事業で稼いだお金ではありません。

それを上場直後に配当するのは、株主をなめてますね。単に配当源泉税だけ株主が損しています。

 

この理由は、下記のコメダホールディングス単体のBSを見ると分かります。115ページです。

http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000001o0n7-att/06KOMEDA-1s.pdf

ホールディングス単体の利益剰余金が全然ないですね。想像するに、事業会社からホールディングスへの配当を何らかの理由でやっていなかったので(非支配株主もいないのになぜ?理由わかる人教えてください)、ホールディングスの配当可能利益が足らず、仕方なく資本剰余金から配当したのだと思います。

しかしこれは、みなし配当課税などもあり株主に負担をかけるやり方ですが、コメダからははっきりとした説明がなかったため、コメダには説明責任が欠けていると思います。

 

以上2点、誰もが気になる疑問について簡単に説明しました。

 

え?コメダ株は買いかって?

投資は自己判断で笑

ゆうちょ銀行のIPOを当てるためにやっておくべきだった3つのこと

昨日19日に、ゆうちょ銀行、かんぽ生命のブックビルディングの結果が発表されました。どちらの銘柄も仮条件の上限で決まり、抽選となる大人気だったようです。

前の日記に書いたように、SBI証券でゆうちょ銀行のIPOを100株申し込んでいました。

etf.hatenablog.jp

 

ゆうちょ銀行の抽選結果は・・・見事外れてしまいました(かなしい)

100株しか申し込んでいなかったので仕方ないですが、ネットを見ていると1000株申し込んですべて外れた人なども結構いるようです。

 

上場前のIPO株を売買するグレーマーケットでは、既にIPO価格に対して6.8%高となっているようです。IPO株を買う権利をすぐ売れば、抽選に当たっただけで6.8%の利益が出ているということになります。

www.bloomberg.co.jp

 

せっかくのチャンスを逃してしまったことに反省し、ゆうちょ銀行のIPOに対してどう行動すればよかったのかを考えてみました。

 

①数多くの証券会社で申し込む

ゆうちょ銀行のIPOを引き受ける証券会社は、全部で61社という異例の体制でした。

多くの証券会社で申し込めば、それだけチャンスが多かったはずです。

 

②主幹事証券で申し込む

IPOには主幹事を努める証券会社があり、主幹事には多くの株式が割り振られます。

今回のIPOの主幹事は下記の通りでした。

 

野村證券大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券みずほ証券岡三証券東海東京証券ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券、シティグループ証券、UBS証券

 

このうち、国内中堅証券の岡三証券東海東京証券が狙い目でした。大手証券はお得意様に優先的に販売していることと思いますが、中堅証券は販売チャネルが大手証券ほど多くないため、一見さんの投資家でも買える可能性があったのです。

逆に、株式取引の手数料が安いため顧客数は多いが、IPOに関しては強くないSBI証券で申し込んだのは、最悪の選択肢でした・・・

IPOの時のために、岡三オンライン証券の口座は作っておいたほうがよかったです。

 

③上場時の価格を予測する

私が100株しか応募しなかったのは、ゆうちょ銀行株を「中期的に業績改善が見込めて、配当利回りが高い」中長期の保有銘柄と考えていたため、保有する個別の日本株ポートフォリオをあまり増やしたくないからという考えからだったのですが、上場時の初値がIPO価格を上回るのならば、すぐに売却するという選択肢もあったので、ポートフォリオを考慮する必要はあまりなかったのです。

ブックビルディングの締め切り前から、ゆうちょ銀行とかんぽ生命については需要が非常に強いという報道は流れていたし、個人投資家のブログ等でも旺盛な需要は確認できたので、理想のポートフォリオに拘泥せず、申し込めるだけ申し込んでしまったほうがよかったのです・・・

 

以上、反省点でした。

IPOから気持ちを切り替えて、インデックス投資を頑張ります。。。

 

ゆうちょ銀行のIPOを申し込んだ理由

 

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ゆうちょ銀行のIPOSBI証券で申し込みました。当たるといいのですが、募集開始二日で募集上限に達して抽選となる人気のようなので、最低口数の100株だけの応募だと厳しいでしょうか。申し込む原資がないってつらいですね。

 

最新版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!

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ちなみに日本郵政とかんぽ生命は申し込んでいません。ゆうちょ銀行のみです。

なぜかといいますと、

日本郵政事業構造的に国内ビジネスで今後収益を挙げにくい。トール社買収による海外物流進出の影響もまだ未知数。

・かんぽ生命は民営化後、契約件数が右肩下がり。生命保険会社は東京海上や第一生命など、より強力でPERが低い銘柄がある。

 

一方、ゆうちょ銀行は、

・PERは他のメガバンクと比べると割高だが、PBRで比べると割安。ゴールドマンサックスの副社長を運用責任者に招いたように、国債中心の運用から、より利益が出る運用に変革を遂げれば、預貯金量で圧倒的なゆうちょ銀行の成長性は大きい。

・郵政3社でIPOが一番人気なので、セカンダリで買われ株価が上昇する可能性が高い。

・配当性向50%によりボラティリティが高い商社並みの配当利回りが期待できる。

などのメリットから魅力的です。

 

さてさて、抽選はどうなることやら。楽しみに待ちましょう。