FLが27%超の大暴落

Foot Lockerの2Q決算は既存店売上高が6%減(為替影響を除けば4.3%減)でした。信じがたいほどひどい決算で愕然としています。

27%安は一時の反応として行き過ぎかもしれませんが、Foot Lockerだけではなく同業他社も極めて悪い決算で暴落していたので、業界構造を詳しく分析し直す必要がありますね。次回の記事で詳しくやりたいと思います。

今回の暴落により米国株では損失が収益を上回ってしまったので、完全にダメな投資家のように見えますね。別の口座でswitch発売直後に任天堂を買ったりしているので(投機的な売買なのであえてブログでは報告していませんが)トータルで見れば利益は出ているのですが、米国株で市場平均を下回っているのでダメな投資家であることは間違いありません。米国のリテールには肌感覚がないことがはっきりしてきたので、もう少し得意分野に集中することを検討します。

 

 

決算概観:ヴァリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)

ヴァリアント・ファーマシューティカルズ(ティッカーシンボル:VRX)が16/4Q決算を発表しました。悪い決算でした。

16/4Qの売上24ドル、Non-GAAP EPS 1.26ドルは市場コンセンサスを上回りましたが、15/4Qの売上28億ドル、Non-GAAP EPS 1.55ドルに対して売上は13%減、EPSは19%減です。

セグメントでは、コンタクトや眼科用医療機器などを扱うボシュロムがヴァリアントの売上の約半分を占めており、売上は15/4Q比ほぼ横ばいと比較的好調でした。
一方で、薬価下落等の影響で、胃腸薬のSalixなどがあまりよくありません。

17年度のガイダンスはEBITDA 35.5億ドル〜37億ドルが提示され、市場コンセンサス38.8億ドルを下回っています。


2/28の株価は前日比14%下落しており、2015年8月の高値263ドルからは95%下落しています。
時価総額49億ドルはEBITDAのわずか1.3倍ですが、298億ドルの有利子負債を抱えており、EBITDAに対する有利子負債レバレッジは7倍近くに悪化していますので、割安な水準ではありません。
米国みずほ証券のアナリストIrena Kofflerは目標株価を9ドルとしています。

Market Hackの広瀬さんもVRXの決算について記事を書かれていますのでご参照ください。
http://markethack.net/archives/52037466.html

お詫び:サーバー代を払うのを忘れてて30分ぐらいサイトが見れなくなってました。すみません。広告でサーバー代を賄いたいです。

決算概観:シスコシステムズ(CSCO)

通信機器メーカーのシスコシステムズ(ティッカーシンボル:CSCO)が先週、17/2Qの決算発表を行いました。シスコは7月が期末の変則的な会計日程なので、17/2Qとは16年11月から17年1月の期間です。

決算はまずまずの内容でした。

17/2Qの売上は116億ドルと、16/2Qの119億ドルから3%低下しました。
GAAPベースでは、17/2QのEPSは$0.47と、16/2Qの$0.62から下落しました。
前期には法人税の還付などが入っており、これらの影響を除いたNon-GAAPベースでは、17/2QのEPSは$0.57と、16/2Qの$0.57から横ばいです。

17/2Qの市場コンセンサスは売上116億ドル、Non-GAAPのEPSは$0.56だったので、売上は予想通り、EPSは予想を上回りました。

 

売上の内訳を見ると、主力のネットワークスイッチが前年比5%減、ルータが10%減。また将来性がある分野のデータセンタ向けも、意外にも4%減です。

一方でサービス(内訳不明)が5%増となり、ネットワーク機器以外の成長戦略を模索しているように思われます。

サービスのグロスマージンは67.7%で、プロダクトのグロスマージン61.1%よりも良いです。したがってプロダクトとサービスを組み合わせたソリューションの拡大により、収益性の向上が期待できます。

17/2Qの配当は$0.29と、前四半期の$0.26から11%の増配となりました。(シスコは年一回の増配ペースです。15/2Qは$0.21でしたので、年間10%以上の増配を続けています)

17/3Qのガイダンスは売上がYoYでマイナス2%から横ばい、Non-GAAP EPSは$0.57-$0.59です。

株価は決算発表日2/15の32ドル台から3%程度上昇しており、ITバブル以来の高値圏で推移しています。

決算速報:Twitter(TWTR)

 Twitter Inc(ティッカーシンボル:TWTR)が16年度決算発表を行いました。

 

売上はYoYで13%増。4QのQoQではわずか1%増で、データ販売のライセンス契約による収入が増えているかわりに広告収入は横ばいで、厳しい状況です。月間アクティブユーザはYoYで+4%と停滞期に入っています。

4Qで1億ドルのリストラクチャリング・コストを計上しています。

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GAAP純利益は4.5億ドルの赤字で、Non-GAAP純利益は4.0億ドルの黒字です。

 

このGAAPとNon-GAAPの差は主にストックオプション費用です。

米国会計基準ではASC718にて付与日時点の公正価値でストックオプションを費用化するという決まりがあります。

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フリーキャッシュフローは16年度に4億ドル創出しましたが、ストックオプションを乱発しているせいで潜在株式が増加しており、将来の株主還元は期待できません。成長も停滞しておりかなり厳しいです。

 

普段Twitterを利用していますが、広告主から出される広告の質が低く、ターゲッティングの精度も GoogleFacebookと比較して圧倒的に悪いです。

GoogleFacebookは自社サイトにおいて最適化した動画広告を表示することでARPUを大幅に伸ばしていますが、Twitterにそのような改善を期待するのは間違っています。

 

17年度ガイダンスは、16年度と同じくストックオプション費用を除いた調整後営業利益では黒字ですが、純利益は赤字予想です。

 

株価は酷い決算により寄り付きから約4%下げています。

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決算速報:コカコーラ(KO)

コカコーラ(ティッカーシンボル:KO)が16/4Qの決算発表を行いました。

 

売上はQoQで6%減少、YoYで5%減少でした。ドル高の為替影響が大きいです。

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QoQの売上増減分析です。販売量が一番左ですが、ヨーロッパや北米で伸びています。南米ではプライスミックスによる増収とドル高によるマイナス影響が相殺しています。

 

コカコーラは4Qに主に中国でボトラーのリフランチャイズを行なっており、その影響で大きく売上を減らしています。この構造改革はコスト削減に繋がりネガティブなニュースではありません。

為替影響とリフランチャイズ影響を除いた オーガニック売上は各地域でQoQ増収です。

 

 

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QoQで比較した収益も同様に、構造改革による一時的な費用を除くと、為替の影響で減益です。

 

17年度のガイダンスは16年度のEPS 1.91$に対して1-4%減益が提示されました。

オーガニックでは3%の成長ですが、構造改革やドル高の影響を受け減益見込みです。

これは市場コンセンサスの1.97$よりも悪いです。

 

株価は寄り付き時点で約3%下げています。

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米アパレル業界の決算概観:アンダーアーマー、ヘインズブランズ、ラルフローレンetc

米アパレル業界の12月決算は市場コンセンサスを下回る低調な数字が相次ぎ、株価も著しく下落しています。決算発表により大きく下落した代表的な銘柄は下記の通りです。

 

Under Armour:29%安(上場来安値)

Hanesbrands:16%安(4年ぶり安値)

Deckers Outdoor:16%安(1年ぶり安値)

Ralph Lauren:12%安(7年ぶり安値)

 

また、高級ブランドのMichel Korsも今のところPre-Marketで7.7%安です。

 

各銘柄について簡単にコメントします。(本当は一つずつ細かく見て行きたいのですが、時間がないので…)

アンダーアーマー:株価下落の要因は成長減速と棚卸資産の増加。来期減益予想。PER(TTM)40倍はまだ非常に割高。6億ドルの発行済み社債はS&P格付けBB+のジャンク級に転落。

 

ヘインズブランズ:買収効果により増収増益だがオーガニックのインナーウェア事業は減収減益。来期予想も成長余力ほとんどなく厳しい。来期予想PER10倍を切っており、株主還元に積極的なことから成長余地がなくとも投資妙味あり。

 

デッカーズ・アウトドア:ホリデーシーズンに大幅値引きを行ったにも関わらず売上低調、前年4Q比75%減益。羊毛ブーツが主力のためホリデーシーズンの減益は大打撃。来期減収予想。

 

ラルフローレン:CEOが取締役会と対立し突然の辞任。来期二桁減益予想。ブランド魅力落ちておりマージン率減少。PER(TTM)32倍は割高。

 

アパレル業界全体の趨勢について考えます。

 

未だにアパレル業界の主戦場はBrick-and-Mortarと呼ばれる伝統的な実店舗であり、ホリデーシーズンにおけるアパレル業界の不調は小売業界の不調と相関しています。

各ブランドはオンライン販売に力を入れていますが、各ブランドごとに影響力のあるECサイトを作り上げるのは困難で、最も成長の果実を手にしているのはアマゾンのような強力な全方位型ECサイトや、スタートトゥデイのような総合ファッションECサイトです。

 

また、若者に広がる深刻なブランド離れもアパレル業界の低迷の理由の一つです。前にテレビで、ラコステのワニが書かれた服にワッペンを貼って隠すアメリカの若者が報道されていました。

名前は忘れましたが、GAPのようにロゴを胸にデカデカと書いた、アメリカのティーン向けブランドがこの前破綻していました。また無印良品ユニクロといった、主張することを拒否するようなブランドが世界的に人気です。伝統的なアパレルブランドが持っていたmoatが年々力を失っているように感じます。(例外はNIKEくらいでしょうか)

 

米下院が打ち出している国境税調整もアパレル業界や小売業界の懸念事項の一つです。(下院議長の名前からライアン・ルールと呼ばれています)

海外からの輸入品に対して20%の関税をかける国境税調整は、東南アジアの人件費が安い国で生産し、米国内の小売業者に販売する業態が一般的であるアパレル業界に、短期的に深刻な打撃を与えるはずです。アパレル株や小売株の下落にはこの政策的要因も関係しています。

 

以上のような理由により、現在のところ、アパレル業界の未来は極めて暗いです。ただし、市場の急速な歪みにより、中長期的な投資への魅力が生まれていることも事実です。

(個人的で無責任なレーティングを言えば、HanesbrandsはHold⇨Buyに変更、それ以外はSellです)

決算概観:JT、BP

12月四半期決算発表がピークですね。

保有株を簡潔に見て行きましょう。

 

JT日本たばこ産業):あまり良くない決算。16年度12月期累計は前年度比で減収減益。

為替一定ベース、のれん償却なしの調整後営業利益だと単価値上げのため二桁増益であることを強調しているが、あまり意味がない数字だと思います。

JTはロシアやイギリス、イタリアでシェアが高く、ルーブルやポンド、ユーロに対して円高に推移していることが当期減益の理由だと説明しています。

ルーブル金利がかなり高くインフレが進行しているので、単価値上げには通貨安の影響が相当程度含まれているはず。為替だけ一定と置くことに意味があるのかどうか。

のれん償却なしも、ナチュラルアメリカンスピリットの理解不能な買収がほとんど結果を出していない状況では、調整後の数字が実態を反映しているかどうか疑問です。

短信に出てくる「為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中 長期に亘る年平均 mid to high single digit 成長」という、経済産業省筆頭株主JTのお役所的な奇妙な文章と、業績が結びついてきません。来期のガイダンスも減収減益。

今日の株価は1.6%下げ年初来安値更新。

 

BP(ティッカーシンボル:BP)

悪い決算。4Qの当期利益は4.9億ドルの黒字だが、市場コンセンサスを下回りました。

16年度通期のEPSは0.13ドル。前期配当の2.4ドルを遥かに下回り、BSは引き続き強固だが現在の配当利回り6.6%から減配やむなしか。

昨年の原油価格平均はバレルあたり44ドル。足元の価格は55ドル。

少し株価が原油価格の上昇に先行して上がりすぎた印象を受けます。BPは確認埋蔵量は多いのですが技術的に難しい深海の権益を持っており、他の石油メジャーよりも原油価格に対するボラティリティが大きいかもしれません。

ADRはPre-marketで3.1%下げ年初来安値を更新しています。